新加盟店

はまの なす子 現住所/山形市 :山形市七日町4-6-7 

自己紹介
山形市花小路 季節料理浜なす分店に生息。
女将のむちゃぶりと戦う毎日。

きてけろくんよりペロリン派。

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はまの なす子さんの新着日記

2014/12/12 11:02:06
思い残すことばかりです
こんにちわ。浜なす事務員 お酒はいけるクチの なす子です。

先日は宝塚の忠臣蔵をご紹介しましたが、ついでと言っては何ですがもう一つおすすめをご紹介させて
下さいませ。
わが山形県が誇る時代小説作家藤沢周平さんの最高傑作の一つ「蝉時雨」の舞台化「若き日の唄は忘れじ」

NHKのドラマや映画にもなりましたので、ご存じの方も多いと思いますが、宝塚ではドラマ化の10年も前、
1994年に星組で上演されています。

主役の牧文四郎は永遠の貴公子、紫苑ゆうさん。その幼馴染で初恋の相手ふくが白城あやかさん。
                          (現在は中山秀征さんの奥さまになられてます)

山形県庄内地方をモデルにした海坂藩の豊かな自然を背景に、剣の道場で将来を嘱望される下級藩士の
息子牧文四郎と隣家の娘ふくの初々しい恋模様が描かれます。

(もちろん宝塚ですから、文四郎は生オケに乗せて「秘剣 村雨」への憧れを歌いあげ、親友の小和田逸平も島崎与之助も歌って踊れます。有名な大八車の場面もミュージカル風)

文四郎の平明で光に満ちた少年時代は、義父がまきこまれた政変によってある日突然に終わりを告げます。
互いに憎からず想いあっていた二人も運命のすれ違いのままひきさかれ、ふくは藩主の側室となり、文四郎もまた妻を娶る。

二人の再開は跡目問題でふくの子の命が狙われた時でした。ふくと子を守り二人きりで小舟に乗って安全な城下へと逃がす文四郎。思わず「どこか遠くへ」と願うふく。けれどやはり二人の道はまた別たれます。

主演のお二人が大人のムードの役者さんですので、子供時代に少々無理があるのは否めません。でも逆に大人になってからの二人の悲しいほどの自制心が切なく胸に迫ります。

やがて藩主の逝去によりふくは落飾が決まり、最後に一度だけの文四郎との逢瀬の場を持ちます。
つかの間互いの腕に抱きあい、そして一瞬だけ泣き崩れるふく。

「これで思い残すことはありません」というふくに、文四郎は「思い残すことばかりです」と答えます。
ほんとうに美しい場面です。この文四郎のセリフ、実は原作には無く宝塚オリジナルなんですが、なす子は「思い残すこと」イコール「後悔」ではないと最近思うようになりました。人生のそこここに、この世のそこかしこに人々の残した「思い」があるからこそ人の世は美しいのだと。

そしてここでもやはりお酒がいい小道具なんです。親友との酒の席でふくへの想いを吐露する文四郎。最後の逢瀬で主役の二人が昔話をしながらお酒を酌み交わす場面は、まるで三々九度のようにも見えます。

全ての山形県民と、藤沢ファンと、お酒好きな方におすすめの舞台です。
さあ、みんなでNHKに再放送のリクエストを出しましょう(笑)

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