このジェリーちゃん、お伺いする度に「ジェリ～マイラ～ブ♪」と、本人に歌って聞かせた。若い人は知らない人も多いであろう。愛しのジェリーである。そんなのはどーでもいい。

　こちらの彼女は１３才のセッターで、普段はご自宅の中で自由に過ごしている。7月と１０月にご自宅にお伺いさせて貰ってのお世話をしました。

　普段はとても大人しく穏やかなのだが、散歩中他のワンちゃんと遭遇してしまうと、ぐいぐいひっぱり相手にかかっていくので、かなり注意して下さい。と念を押され、あまり他のワンちゃんと遭遇しない散歩コースを教えて貰った。お陰で未だ散歩中に他のワンちゃんとは会ったことがない。

　そして飼い主さんはこれを一番心配していたが、ジェリーちゃんの最大の嫌いなものは雷らしく、以前飼い主さんが留守にしたときに雷が鳴り、帰ってみるとドアは無残に破壊され、爪ははがれ血だらけになっていたり、ある時は、二階のベランダから一階のコンクリートに落ちてしまい、腰が立たなくなっていたが、命かながら腹ばいになって、自分で別のお宅に助けを求めに行った事もあるそうだ。

　雷が嫌いな子は本当に他にも沢山いるが、皆尋常でない恐がり方をする。一度雷が嫌いなゴールデンを預かり、雷が鳴り出したので急いでサークルに入れ布をかぶせたが、中でドッタンバッタン大暴れし、鉄格子のドアをぶちこわされたことがある。

　週に何回かご自宅にお伺いしている子も、雷が大の苦手で、ゲージに入る習慣が全くないので、隠れられるスペースを飼い主さんは作っているのだが、家中放し飼いなので、テレビの裏に入り込んで大暴れしたりで、人がいないときは、帰ってくるとそこら中に綿ゴミが散らかっていたり、大変なことになるそうだ。

　私のお世話当日に雷が鳴り始めると、早めにいけるときなどは直ぐに駆けつけるようにしている。普段はその子はダッコ嫌いなのだが、玄関を開けた途端ダッコをせがみ、雷が鳴っている間はずっと私の膝の上でブルブル震え、とてもかわいくなるのだが、雷が鳴り終わった途端に、「ダッコなんかするかボケ～！」と走って逃げていくのだ。これをされるたんびに「クソ～
二度と己の為に雷が鳴ってもきてやるものか～！」と本人にいつも大人げなく吐いてくるのだが、雷の鳴る季節がくると、このお宅に何度も急行する。

　山形花火大会の日には、ほとんど雷が苦手な子達だけがうちにやってくる。普段からゲージに入る癖がついている子達はこういうときは、バリケンの中に入って貰えばだいたい大人しくしている子がほとんどなので、ゲージ慣れしている子達はこれに限らず、全てにおいて扱いやすい。

　雷嫌いな子達は皆遺伝のようである事がわかったらしい。訓練でどうなる、という問題ではないので、こういう子達はゲージに入れての妥協策でしのぐしかない。

　最近は家の中で一日中どこでも自由にし、寝るときも飼い主さんと一緒に寝ている、という方が多いが、そういう方のワンちゃんはほぼ１００％サークルの中で吠え続ける子ばかりなので、そういう子はペットホテルはお断りし、ご自宅にお伺いさせて貰ってのお世話をお願いしている。

　吠えるのは犬だからしょうがないべ、と簡単に思われる方もいるかもしれないが、ゲージの中で長時間吠えたりしていると希に脱腸や椎間板ヘルニアを起こすこともあるので危険なのだ。

　オライの犬達は、日中は家の中はどこでも自由にさせていますが、寝るときだけは各々のゲージに入って寝かせています。

　私が留守にするときは風太は親戚のトリマーさんに預けて出掛けるときがあるが、毎回風太はゲージの中ではずっと吠えることなく大人しくしているそうだ。

　せめて一緒に寝るな、とまでは言いませんが、出掛けるときだけゲージにいれるとか、人間様の食事中の時はゲージに入れる、とか、一日のうち、ちょっとだけでも入るクセをつけさせれば、どこに出しても大丈夫なストレスのかかりにくい、私達から言えば扱いやすい子に変身しますので、ゲージトレーニングは今からワンちゃんを飼われる人も、もう飼っている人もぜひやってみてください。やり方わからない方は私が教えますので、ご連絡下さい。やり方はとっても簡単です。

　ゲージトレーニングはワンちゃんを飼っている方は全て必要だと私は思っております。

　今回お世話に行かせて貰ったジェリーちゃんも、雷が鳴ったらバリケンなどのクレートに入れるのが一番安全なのでは？とお話はしました。爪ははがれるかもしれませんが、家中を破壊したりベランダから落ちる事故もなくなるので、一番だと思うのですが、こちらの飼い主さんも本当に優しくとてもいい方で、私にも色々良くして下さりました。その節はありがとうございます。

　本当にジェリーちゃんのことをいつも一番に考えているようで、愛情がひしひしと伝わってきました。ジェリーちゃんの事を一番わかっていらっしゃるので、あとは飼い主さんにお任せします。

　7月にお伺いしたときに、雷注意報が出ていたので、飼い主さんも私もかなりドキドキしましたが、無事に雷は鳴らずにすみました。

　ちなみに雷が鳴ったらワダスはどうすれば？と飼い主さんに聞いてみると、「私もそうなったらどうすることも出来ないので、ドアの方にだけ行かないように、それだけ注意して下さい」と言われ、ドアまで来てしまうとガリガリ破壊し穴を開け、修理したことがあるそうな、、、、、、、。

　私がお世話に行ったときはジェリーちゃんはとっても大人しく、穏やかで、噛みつくなんて事とは縁がない子なのだ、最初の7月に行った時は「アンタこの間も来たけどなんなの？」という感じで自分の小屋から出たり入ったりで、暫く私の様子を伺っていましたが、そんな中でも「おいで」と言えばとっても素直に直ぐに来てくれる、とても良い子でした。

　いつもありがとうございます。