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日記アーカイブズ
時森 ししんさんの新着日記
10月4日(土)、東海大学山形高校は、69回目の創立記念日を迎え、式典に引き続いて、映画監督の大友啓史氏による記念講演会を開催した。

東海大学山形高校は、「平和教育」を教育の中心に添えており、「人間の尊厳」や「多様性」を重視している。
そんな中で、現在、大友監督の映画「宝島」が公開されているが、その中で、太平洋戦争の終戦、その後の米軍支配、日本国への復帰と、沖縄の人々の歴史と心の葛藤を描いている。
この映画を通してのメッセージを、是非、若い世代へ伝えたいと、大友監督にお願いしたところ、快く引き受けていただき、この日を迎えたのである。

多くの方々のご尽力により、69年も続いてきた東海大学山形高校。
これまで、情熱溢れる先生方が教鞭を取り、多くの卒業生を輩出してきた。
この69年の道程は、自分たちの誇りであると理事長の式辞の中で話す。

来賓の皆さんもご参列くださり、一緒に創立記念日を祝っていただく。

石澤校長からは、本校の歴史が語られ、世界が混沌とする中で、生徒たちへの期待を込めたメッセージがあった。



その後、教職員の永年勤続表彰が行われた。
勤続30年の菊地正樹先生と佐藤剛志先生。
勤続20年の今井大智先生。
勤続10年の石黒俊太先生と鈴木耕太郎先生。
理事長である自分より、表彰状と記念品を、感謝の言葉を添えてお渡しする。

その後は、全生徒と全教職員に加えて、PTAの希望者も含め、約1,000人への大友啓史監督による記念講演が行われたのだ。


記念講演のテーマは、「想像力が世界を救う〜映画『宝島』の創作現場から〜」
講演内容は、素晴らしいものだった。
大友監督の野球少年で怪我をして夢を諦めたこと。
その後、人と会わないような真っ暗な空間である映画館に入り浸って、多くの映画を見まくったこと。
当時の挫折した時の気持ちなど、高校生の目線に立ってお話をいただいた。
その後、法律家になろうと大学で法学を学んだこと。そして、NHKに入社面接の際に出会があったこと。ドラマを作ろうと思ったこと。
そこから、あのNHK大河ドラマの坂本龍馬の「龍馬伝」を演出される。
映画監督として独立されてからの活動なども話をされたが、やはり、沖縄については、ずっと引っかかっていたとのこと。
「ちゅらさん」は、1972年の日本に沖縄が返還された後の話であり、沖縄の人々と接すれば接するほど、返還前の「心の中の葛藤や怒り、精神的な強さ」を感じていて、そこにはなかなか踏み込めなかったと言う。
触れてはいけないけど、いつかそこをしっかりフォーカスしたいと思っていたとのこと。
今回、映画「宝島」の制作を担い、主演の妻夫木聡さんも同じ気持ちで、沖縄の歴史と向き合った。
戦争は終わったのに、沖縄では、まだ米軍に支配され続け、様々な目を覆うような事件が相次いだ。
そこで生きていかなければならない若者達にフォーカスした物語である。
大友啓史監督は、話し続ける。
「想像してごらん?自分達の家族が何も悪くないのに蹂躙されたり、暴行されたり、殺されたりした時、自由や平和を奪われた時のことを。」
「山形から遠く離れた沖縄で、そんな事実があったことを、覚えておいてほしい。そして、自分は伝えなければならないと思う。是非、皆さんには知ってほしい!」


講演が終わり、2名の生徒から質問があった。
物語の作り方についてと、主人公の設定について。


最後に、生徒会より花束が渡され、大きな拍手が会場から溢れた。
生徒会長は、「私たちは、来月、沖縄に修学旅行に行きます。今日のお話をお聞きして、沖縄の人々がどんなに日常的に苦しんで生きて来られたのかを知り、しっかりと見てきたいと思います。」と感謝と御礼の言葉を伝えていた。

(大友監督と来賓の皆さんと一緒に記念撮影)
生徒たちにとって、一生忘れられない記念講演会になったと思う。
映画「宝島」の文字や、大友啓史という名を目にするたびに、「平和」の尊さを思い出すに違いないと思う。

自分は、大友啓史監督と出会って12年。
毎年のようにお会いしている。
これまで、「るろうに剣心」「3月のライオン」「レジェンド&バタフライ」など、山形ロケもあり、山形国際ムービーフェスティバルもあり、山形をとても大切にしてくださっている。
大友監督が蒔いた種が、数十年後、彼らが大人になった時に、平和の花を咲かせることを、願ってやまない。
元記事:https://ameblo.jp/stokimori/entry-12935959211.html