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日記アーカイブズ
時森 ししんさんの新着日記
2019/10/04 01:43:05
蜷川実花監督の映画「人間失格〜太宰治と3人の女たち」の美しさ
傷ついた者だけが、美しいものを作り出すんだ。
26歳の時「逆行」が芥川賞候補となり、31歳で「走れメロス」を刊行、38歳の時には「ヴィヨンの妻」と「斜陽」を刊行する。
1948年、39歳で肺結核が悪化し喀血。
その年の5月12日「人間失格」脱稿。
6月13日富栄と玉川上水に入水自殺。

稀代の天才作家であり、「死ぬほどの恋」を重ねた太宰治。
この作品は、その彼の持つ中途半端な人間臭さを追い求めた作品だと、鬼才・蜷川実花監督が語る。
自分が今年観た映画では、間違いなく最高級の作品となった本作は、太宰治に内在するアンビバレンス(両価性)を見事に描き、その葛藤や揺れ幅の中に現れる、怒りや悲しみ、そしてカタルシスが、美しさを醸し出すのだ。

「ヴィヨンの妻」のモデル、正妻の津島美知子役の宮沢りえ。
モノトーンのイメージから、後半の鮮やかな青色の着物。

「斜陽」のモデル、愛人の太田静子役の沢尻エリカ。
華やかな桜色。
その華やかさに、身も心も奪われてしまう。
その色彩美に、心が奪われてしまう。

「人間失格」の原点で、最後の女である山崎富栄役の二階堂ふみ。
タナトス的な死生観が、太宰治と共鳴したような魅惑を放つ。

蜷川実花監督の父上も、可愛がっていた藤原竜也。
前作の「Diner ダイナー」に続き熱演。

太宰治役の小栗旬との絡みは、男の色気を感じる2人の見せ場である。

この映画の小栗旬を観ていると、いつの間にか、太宰治本人に見えてくるから、この映画は素晴らしい。
蜷川実花監督は、小栗旬のゾクッとする魅力的なカットを、何度もフォーカスしている。
監督自身が、彼に恋してしまったようなシーンが描かれているのだ。
是非、その辺りも、興味深く観て欲しい。

戻らなくてもいいですよ、家庭に。

愛されない妻より、ずっと恋される愛人でいたい。

死にたいんです、一緒に、ここで、今すぐ。

おまえを、誰より、愛してしまいました。
生誕110年を迎えた天才・太宰治へ、現代の天才・蜷川実花が挑む作品。
劇場で、是非、観て欲しい!
元記事:https://ameblo.jp/stokimori/entry-12532308859.html