2016年12月6日の火曜日。
これまで、ケーブルテレビ業界を牽引してきた第一人者であり、ミスターケーブルテレビと言われた吉崎正弘氏の、とても衝撃的な講演があった。
吉崎正弘氏は、総務省時代は、有線放送課長として、まさに日本のケーブルテレビ産業を根づかせてきた方であり、総務省の審議官を経て、日本ケーブルテレビ連盟の理事長として、初めて東北支部総会に出席された。
日本ケーブルテレビ連盟東北支部の支部長局として、自分がホスト役として、2年連続して、吉崎氏から東北・山形市へお越しいただくことになったが、今回は、むしろ日本ケーブルテレビ連盟、総務省協業の理事長吉崎として、本音で集まった東北地区のケーブルテレビ局の社長達に、選択を迫るものであった。
開催地を代表してご挨拶をしたが、むしろ、この日から東北のケーブルテレビ業界の行く末を、しっかり見極めなければならない気持ちが強かった。
吉崎理事長は、いつもの如く、とても明快に、解りやすく、現在のケーブルテレビ業界と、これから数年での課題と対策、そして我々が担う役割を淡々とシャープに説明された。
東北支部は、全国の支部周りで、最後の場所とのこと。
吉崎理事長の講演が進むにつれ、これからの放送と通信業界は、大変な時代に突入するんだと、みんなが理解しだし、会場がこんなにも張り詰めた空気感を醸し出したことはないくらい静寂感が漂う。
2018年の12月1日から始まるBSの4K本放送。
4Kテレビの普及予測。
4K対応STBチュナーの登場(2018年
夏)
…など、これらに対応しなければならないケーブルテレビ業界。
『第1章』としては、ケーブルテレビ業界の切迫した状況を突きつけられた。
『第2章』では、ケーブルテレビ業界のビジネスチャンスの話。
4K放送が始まれば、現状のパラボナアンテナとチュナーは使えないので、ケーブルテレビなら対応できる利点が活かせる。
『第3章』では、お客様まで4K放送を届ける為には、帯域を確保しなければならない。
故に、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)を敷設するか、NTTなどのキャリアと連携する。
『第4章』では、チャンネルを選ぶのも方法。
パススルーでもよし。何よりもニューSTBが必要。
『第5章』は、ケーブルテレビ会社の経営者が決断する時。
どこをゴールにするのか?
とにかく、未来の何処かに向かって、一歩を踏み出さなければならない焦燥感を感じたのである。
東北のほとんどのケーブルテレビ局の皆さんも、同様だったと思う。
吉田淳一ケーブルテレビ東北支部長の発声で乾杯!
この日の懇親会は、講演内容がインパクトがあり、ある意味ショックだった為に、かなりの意見交換、ブレスト状態になった。
自分も、東北支部顧問として、吉崎理事長が仰る、広域連携の話や、現エリア外をどうするかなど、各社の社長さん方と、意見交換する。
吉崎理事長と古くから信仰がある、北上ケーブルテレビの加藤専務。
我らの大先輩のニューメディアの原田専務。
そして加藤専務からは中締めのご挨拶。
山形県産酒「幻の酒・十四代」を、自宅から急いで持ってきて、吉崎理事長へ贈る。
間違いなく、東北ケーブルテレビ業界の歴史的1日になったこの日、記念撮影をする。
二次会は、パセオ。
飲み会ではなく、会議の意見交換的な場であった。
最後の最後まで、こんな珍しい光景であり、2016年の師走は、東北支部に「吉崎ショック!」という激震が走ったのであった。
約7ヶ月前の話である。
(敬称、役職は当時)
そこから、怒涛のごとく、ダイナミックなミッションが、進み出したのである。
元記事:
http://ameblo.jp/stokimori/entry-12295159409.html